お酒に薬草やマムシなどを漬けた薬酒。それ自体の歴史もとても長いと思いますが、僕にとっての薬酒の歴史も思いのほか長いんです。
薬酒とはその名の通り、僕は薬だと思うのですが、何を薬と呼べばいいのか、この現代においてはよく分からなくなってきているような気がします。「薬事法に定められたものがちゃんとしたお薬です」と言われても、それに定められていない薬でも漢方薬のようにれっきとした薬もあります。また、健康食品には治るという表記してはいけないという法律もありますが、きちんと病気を治す健康食品もあるでしょう。
要は病気が治ろうが治らなかろうが、薬と呼ぶには医者の証明が必要だという話ですね。もし医者を信用できなければ薬自体の存在も危うくなってきます。
個人的には、そんな話も嫌いではないのですが、今日は、ろ霞で提供する薬酒について書かせて頂けたらと思います。
この度、ろ霞に薬酒のノウハウを提供してくださるのは、一般社団法人薬酒・薬膳酒協会さんです。略して薬酒協会さんと呼ばせて頂きますが、薬酒協会さんの考えは「薬食同源」。食=薬という考え方ですが、私はここに共感しています。
最近の傾向として、旅行はウェルネスツーリズムの方向へ向かっていますが、昔から旅の目的の多くは健康でした。アドベンチャーや思い出づくりももちろんですが、旅行や観光の目的の多くは、心と体を元気にするためです。
そのために用意されているものが有名どころだと、韓国のエステ、タイはマッサージ、日本の温泉、インドのアーユルヴェーダ、台湾の漢方薬と特にアジアには沢山あるような気がします。お香やお茶の文化もここの仲間だと思います。
薬酒は漢方の部類です。その土地土地で獲れる植物を使って作る薬酒もあれば、はるか遠くのアンデスから取り寄せる乾燥したサボテンのような植物を使うこともあります。旅で楽しまれるのはその土地で採れたものだと思います。
薬酒協会の代表を務める桑江さんは「薬草は本当にどこにでもあります」と言います。桑江さんの小学生の娘さんは、ちょっと身体の調子が悪いと公園へ行って草をむしってきて、自分の身体を治してしまうそうです。
直島でどんな薬草が採れるのかは、まだ分かってはいないです。実際に、それを使って薬酒を作るかどうかもまだ決まっていないです。
わたしがずっと小さな頃です。この度、祖父が家で薬酒を沢山作っていたのを思い出しました。祖父は死ぬまでずっと薬酒を作り続けていました。マムシや高麗人参、なまこ、など、色々と気持ち悪いものが多かったので、家族には嫌がられていました。祖父が亡くなった時には、棚や押し入れから大量の薬酒が出てきたので全部捨てました。
しかし、なぜ、祖父がそんなに薬酒を作ろうとしていたのかこの度分かった気がしました。薬酒の可能性は、とても人を魅了するのだと思います。
今度、奈良でウェルネスツーリズムが始まるらしいです。奈良は漢方発祥の地らしいです。発酵食品や化粧品なども一緒に登場し、今後の日本の観光シーンの新たな担い手として注目されています。
こちらは薬酒・薬膳酒協会のページから見れる、自分にぴったりの薬酒をブレンドしてくれる健康チェックシートのページのリンクです。
http://yakusyu.net/monshin.html
A&C株式会社
代表取締役 佐々木慎太郎