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<短編小説> 風級になった

音楽を聴くのは、風の音を聞くのに似ている。

時間に乗って流れてくる調べは、小鳥のさえずり。

時には、プロポーズするクジャクのようだ。

震える魂が心地よく肌をなぞるように吹き抜けていく。

隣に座っているエリカはまださっきの言葉を頭の中に閉じ込めているようすだった。

前屈みになって地面に視線を流しながら揺れている。

後ろに束ねた少し色を変えた髪からは、ほんのりと香るラベンダーに似た20代特有の清潔感が漂う。

#出演者名:上河内美里(Instagram:@misatokamikouchi)